「応力発光記録システム」

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研究代表者:
徐 超男 (産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター応力発光技術チーム 研究チーム長)
研究課題:
応力発光体を用いた安全管理ネットワークシステムの創出

技術解説


①銀塩フィルム系、②光触媒系、③ジアリールエテン系に関する詳細検討を行った。その際、記録の線形性が保たれる光量領域、反応の不可逆性・停止の可能性、計測対象物への適用可能性等、の観点から検討し、実システムプロトタイプ作成の指針とした。
①銀塩フィルム系
銀塩フィルム系は、高感度な光記録が可能であり、図3aに示すように、光子数と記録量が線形関係となる事を明らかにした。また、応力発光シートから得られる円形の発光軌跡(図3b)を感光記録したところ、同じ円形の記録像を得ることに成功した(図3c)。銀塩フィルムは、既に感光反応の停止技術が確立していること、製品化されていることから、不可逆性、汎用性に関しては条件を満たしているが、現像(増感)を必要とするため、読み出し法について検討が必要である。
②光触媒系反応による感光が無い、500nmより長波長では感光しない、高いダイナミックレンジとコントラスト、感光時間と記録量が線形的な相関関係であることを見出した。感光が起こらない680nm光をプローブ光とすることで、変色部位の撮影を行ったところ、変色やその度合いの識別に成功しており、イメージセンサによる記録の直接検出が可能である。また、低酸素環境では感光後の安定性・不可逆性が保たれることを見出した。従って来年度は、酸素を遮断するマトリックスの検討と、効率の観点から酸化チタンと銀イオンの近接化を果たせる単一粒子型発光記録センサーの開発が課題となる。
③ジアリールエテン系(有機フォトクロミック色素)
ジアリールエテン系において、塗膜中での検討を行ったところ、光のみに反応するフォトクロミック現象(感光)、感光しない波長領域(無感光読出しの可能性を示唆)、光子数に線形的な記録、100℃付近までの熱安定性を見出した。一方、色素自体では感光の停止は難しいが、分子設計により将来対応できる可能性は高い。感光記録の線形性、応力発光記録実証試験を行い、プロトタイプ作製を目指すことを課題とする。

概要図

論文等

  1. 上野直広、小野大輔、徐超男, “構造物の応力分布に起因した応力発光のパターン検出”, 計測自動制御学会論文集, 2011, Vol.48 No.1, pp.67-72, 2012
  2. N. Ueno, C.N. Xu , “An approach to mechanoluminescent pattern extraction from mechanoluminescent images”, Proceedings of International Forum on Mechanoluminescence and Novel Structural Health Diagnosis 2011, pp.260-263, 2012
  3. Y. Sakata, N. Terasaki, L. Zhang, C.S. Li, N. Ueno, C.N. Xu, “Non-destructive flaw detection of steel truss bridge using mechanoluminescent sensor”, Proceedings of International Forum on Mechanoluminescence and Novel Structural Health Diagnosis 2011, pp.246-250, 2012

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