溶接配管・疲労寿命予測

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研究代表者:
徐 超男 (産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター応力発光技術チーム 研究チーム長)
研究課題:
応力発光体を用いた安全管理ネットワークシステムの創出

技術解説

原子力施設で汎用されている配管系を対象に、従来技術で計測困難の溶接部位の破壊予知への有効性を検証した。溶接部位は凹凸しており、シート型センサの適用が困難のため、開発してきた応力発光塗料をスプレー法で塗布し、疲労き裂を可視化および応力発光強度とき裂進展速度の相関関係があることを検証した。
本試験は内径27.2mm、 肉厚3.9mm、長さが200mmおよび800mmの小口径管をT字継ぎ手にソケット溶接したものを試験配管として用い、溶接部の表面に応力発光材料を塗布した(図参照)。加振機により試験配管を共振させ、溶接部に荷重を負荷した。
その結果、図のように疲労回数N=53280において溶接部の中央付近に応力発光領域が観測され、N=558000においては約4mm程度に達した。応力発光領域はNの増加に伴って周方向に進展していることが分かる。実験後、試験配管を観察したところ、発生した疲労き裂は発光領域と良い一致を示し、その幅は10μm以下であり非常に微細なものであることが明らかになった(図参照)。
さらに、き裂の進展速度が小さい領域では、発光強度はほとんど変化しないが、10-6[mm/cycle]以上では、き裂進展速度は、発光強度のべき乗に比例して増加していることが分かった。これはPalis則に類似した傾向があることを明らかにした。
今後、この研究成果を利用し、火力、原子力各種プラントの配管系おける配管の疲労き裂を簡易的に検出できる技術として使われることが期待されている。

概要図

図1:劣化過程中の応力発光画像

図1:劣化過程中の応力発光画像

論文等

  1. 上野直広、小野大輔、徐超男, “構造物の応力分布に起因した応力発光のパターン検出”, 計測自動制御学会論文集, 2011, Vol.48 No.1, pp.67-72, 2012
  2. S. Guo, C.N. Xu, D. Ono, “Diagnosis of Internal Defect of a Pipe by Mechanoluminescent Sensor”, Proceedings of Structural Health Monitoring 2011, Vol.2, pp.1442-1448, 2011

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