圧力容器の応力異常検出

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研究代表者:
徐 超男 (産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター応力発光技術チーム 研究チーム長)
研究課題:
応力発光体を用いた安全管理ネットワークシステムの創出

技術解説

圧力容器は種々の産業ガスの貯蔵・運搬に広く実用されているが、腐食、疲労、溶接不良などの原因による漏洩、破裂など深刻、重大な事故を引き起こす可能性がある。そのため圧力容器の製造、使用において高圧ガス保安法による厳格な容器基準、検査基準などが定められている。近年、エネルギー資源問題、地球環境問題の有力な解決手段として水素エネルギーの利用開発が進められているが、特に燃料電池自動車の実用化には高圧の水素貯蔵が必須であり、また燃料となる水素を供給する水素ステーションにおいても高圧蓄圧器が重要な構成要素となる。このような高圧の圧力容器の安全性確保には容器の劣化をリアルタイムで診断できる技術のニーズが大きい。本実証試験は【公益財団法人 水素製品研究試験センター】の協力を得て実施した。
鋼製圧力容器に水圧による内圧サイクルを負荷し、疲労による亀裂貫通試験を行った。その過程における応力発光体の発光挙動を調べた。その結果、図に示すように、容器内部からの亀裂進展にともなって発光強度の増大が観察され、亀裂貫通前にその位置を特定することが可能であることが実証された。圧力容器の劣化診断技術として応力発光体の適用が有用であることが示された。
 応力発光体による計測は応力分布をリアルタイムでかつ面として捉えることが可能となり、歪みゲージによる応力測定や超音波探傷など他の非破壊検査技術に比べてメリットが大きい。本研究の成果により、リアルタイムで圧力容器の安全検査ができ、取得した分布から危険レベルも評価できる。今後は圧力容器の劣化診断・健全性評価ツールとしての利用が期待されている。

概要図

図1:圧力容器の発光と亀裂状況

図1:圧力容器の発光と亀裂状況

論文等

  1. S. Guo, C.N. Xu, D. Ono, C.S. Li, S. Watanabe, “Prediction of the Fatigue Fracture in Pressure Vessel with Mechanoluminesce Sensor”, Proceedings of International Forum on Mechanoluminescence and Novel Structural Health Diagnosis 2011, pp.117-124, 2012
  2. S. Guo, C.N. Xu, D. Ono, C.S. Li, Y. Sakata, S. Watanabe, “Visualization of the Fatigue Crack for Pressure Vessel by Mechanoluminesce Sensor”, Proceedings of 2012 IEEE Sensors Applications Symposium, pp.212-216, 2012

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