デジタル出力圧電加速度センサ

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研究代表者:
伊藤 寿浩 (産業技術総合研究所 先進的プロセス研究部門 ネットワークMEM研究グループグループ長)
研究課題:
安全・安心のためのアニマルウオッチセンサの開発

技術解説

小型で長期間動作させる必要のある無線センサ端末は、搭載できる電池を小型にせざるを得ないため、端末の消費電力を低減させることが必要とされている。MEMS (Microelectromechanical systems)技術を応用した高精度の加速度センサーがこれまでに開発されており、無線端末にも搭載されている。しかしながら、これらのセンサーは自身の駆動や無線信号送信のためのA/D変換に電力を必要とする。A/D変換により高精度のデータが取得できるが、用途によっては精度を必要とせず、測定対象物の状態がある程度把握できれば十分な場合が考えられる。本研究ではそのような用途に対する、駆動、A/D変換のための電力が不要なデジタル出力圧電加速度センサーを提案し、試作したセンサーの特性から提案したセンサーの実現可能性を検証した。
図1はデジタル出力圧電加速度センサの原理を示したものである。Siウェハ上に形成されたカンチレバー形状の梁の部分に圧電薄膜が並列に造られている。これらの圧電薄膜は電気的には直列に接続されており、一部の薄膜にはCMOSスイッチが接続されている。圧電薄膜は直列に接続されているため、電圧は圧電薄膜の数が増加するにつれて増加する。そのため、CMOSスイッチの閾値以上の電圧が印加されたスイッチはONとなり、ONとなったスイッチの個数を出力とすることによりデジタル値が取得できる。
図2(a)は作製したセンサの出力波形、図2(b)は圧電薄膜の直列接続数と出力電圧の関係である。出力電圧は飽和しているが、直列接続する圧電薄膜の数を増加させることで電圧値を増加させるという基本原理の確認はできた。

概要図

図1 デジタル出力圧電加速度センサの概念図

図1 デジタル出力圧電加速度センサの概念図

図2 (a)出力波形、(b)圧電薄膜の直列接続数と出力電圧の関係

図2 (a)出力波形、(b)圧電薄膜の直列接続数と出力電圧の関係

論文等

  1. T Kobayashi, et al., Smart Mater. Struct. 19(2010) 105030

関連特許

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