ガス分離MEMSカラム

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研究代表者:
山中 一司 (東北大学 未来科学技術共同研究センター 教授)
研究課題:
多種類の危険・有害ガスに対する携帯型高感度ガスセンサシステム

技術解説

ガスクロマトグラフの小型化のため微小電気機械システム(MEMS;microelectro mechanical systems)を用いた微小流路による分離カラムの開発が進んでいるが、従来成功しているのはオープンチューブ型カラムであり、メタン、エタン等の低級炭化水素の分離を可能にするパックドカラムのMEMS化は確立していない。この原因の一つは、高い充填圧力(10~100atm)によるMEMS流路の破壊の問題である。そこでこれを防止する圧力ジャケットを考案して、パックドMEMSカラムの開発に成功した。図1は高分子ビーズを高圧充填した流路とその拡大図である。
図2は熱伝導検出器(TCD;Thermal conductivity detector)を実装した卓上型ガスクロマトグラムを用い、等体積で混合したメタン、エタン、プロパンの分離検出を行った結果である。ボールSAWセンサの振幅応答によりこれらのガスを検出できた。これはSAWセンサとして初めての成果である。また200℃程度に加熱するため十分な防爆対策の必要なTCDとは異なり、室温で検出できるため、天然ガスの熱料評価用小型ガスクロ開発に有用な成果である。今後、耐久性およびコストを考慮して、カラムの材質をガラスまたは金属に置き換える。

概要図

図1  パックドMEMSカラムの流路部の拡大図

図1 パックドMEMSカラムの流路部の拡大図

図2  スチレンジビニルベンゼンパックドMEMSカラムによる天然ガス成分の測定

図2 スチレンジビニルベンゼンパックドMEMSカラムによる天然ガス成分の測定

論文等

  1. 赤尾慎吾,岩田尚也,佐久間正典,大西秀和,野口和洋,辻俊宏,中曽教尊,山中一司,球状弾性表面波ガスクロマトグラフのためのマイクロ分離カラムの開発,Proceedings of Symposium on Ultrasonic Electronics, 28, (2007), 165-166
  2. Shingo AKAO, Naoya IWATA, Masanori SAKUMA, Hidekazu OHNISHI, Kazuhiro NOGUCHI, Toshihiro TSUJI, Noritaka NKASO, and Kazushi YAMANAKA, Development of Microseparation Column for Ball Surface Acoustic Wave Gas Chromatograph, Japanese Journal of Applied Physics, 47(5),(2008), 4086-4090
  3. Yutrao Yamamoto, Shingo Akao, Masanori Sakuma, Kentaro Kobari, Kazuhiro Noguchi, Noritaka Nakaso, Toshihiro Tsuji, Kazushi Yamanaka, Ball SAW Gas Chromatograph System for Analysis of Mixed Volatile Organic Compounds, Proceedings of Symposium on Ultrasonic Electronics, 29, (2008), 249-250
  4. 山本祐太朗、赤尾慎吾、鈴木亨紀、佐久間正典、小針健太郎、野口和洋、中曽教尊、辻俊宏、山中一司, 弾性表面波ガスクロマトグラフのための圧力ジャケットを用いたシリコンガラス陽極接合構造のパックドカラムの開発, (2009), 圧電材料・デバイスシンポジウム2009講演論文集、135-140
  5. Yutaro YAMAMOTO, Shingo AKAO, Masanori SAKUMA, Kentaro KOBARI, Kazuhiro NOGUCHI, Noritaka NAKASO, Toshihiro TSUJI, Kazushi YAMANAKA: Development of Packed Column for Surface Acoustic Wave Gas Chromatograph Using Anodically Bonded Silicon-Glass Structure with a Cmpression Jacket, Japanese Journal of Applied Physics,48(7),(2009),07GG12-1-3

関連特許

関連リンク

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